スパークはOrmco社が提供しているマウスピース型矯正器具(スパーク「SPARK®︎」)の一種です。
マウスピース型矯正器具は、従来のワイヤー矯正と比べて適応する症例が少ないといわれていますが、マウスピース型矯正装置をきちんと学ばれている先生であれば、ワイヤー矯正でしか治せないような複雑な症例も対応できる可能性があります。
さらにマウスピース型矯正器具の中でも透明度が高く着用時も快適に過ごせるのもスパークの特徴です。
歯列矯正をしていることでかかる日常生活に制限をできるだけ少なくしたい患者様にとって、矯正治療を始めるきっかけとなるでしょう。
スパーク(Spark)と他のマウスピース矯正との違い
マウスピース型矯正器具というと、真っ先にインビザラインを思い浮かべる患者様が多いのではないでしょうか。
また、最近では格安マウスピース型矯正器具も続々と登場しているため、手軽に歯列矯正を受けられるからという理由で値段の安いマウスピース型矯正器具を検討している患者様もいるかもしれません。
しかしスパークとの違いを知れば、どのマウスピース型矯正装置を選ぶべきかすぐに理解できるでしょう。
ここからは、スパークと他のマウスピース矯正との違いを紹介します。
アライナーの透明度が高い
スパークの見た目でわかる特徴というと、アライナーの透明度の高さです。
『TruGEN™』という素材でできたスパークのアライナーは、他の大手マウスピース型矯正器具と比べて透明度が高く、マウスピースを装着していることが見た目にほとんどわかりません。
マウスピース型矯正器具を検討される患者様は、矯正治療をしていることを周囲に知られたくない、できるだけ目立たせたくないと思っている場合がほとんどです。
しかし、いくらマウスピースが透明だとはいえ、間近で見たときに気づかれることもあります。
その点、スパークはアライナーの透明度が非常に高いため、家族や親しい友人と間近で接しても矯正器具をしていると気づかれることがありません。
また、マウスピースの切れ端の部分も、他のマウスピース矯正に比べるとややギザギザしたような形状になっていて、唇などのやわらかい粘膜に対しての違和感が少ない構造になっています。
さらに着色にも強く、飲食物によって汚れることが少ないのもスパークの特徴です。着色によって見た目が不鮮明になることなく、いつでもきれいな状態を保つことができます。
歯根を正確に再現できる
スパークはこれまでのマウスピース型矯正装置と比べて、より詳細な歯の移動ができることが特徴です。
なぜなら、スパークは歯根を正確に再現したデータが反映されるからです。
マウスピース型矯正装置の最大手であるインビザラインでも、歯冠(歯の見えている部分)の情報のみを元にセットアップを行わなければいけません。
しかしスパークであれば歯冠だけでなく歯根も含めた歯並び全体のデータを元にセットアップが行えます。
それによって一般的にマウスピース型矯正装置が不得意とする歯根の移動の大きい症例でも、より正確に治療終了時の歯並びを予測、決定できるため、治療計画を立てやすくなります。
アライナーと歯の接触面積が大きい
マウスピース型矯正装置による矯正治療において、マウスピースと歯の接触面積の大きさは歯の動きを予測するために重要な要素のひとつです。
スパークのマウスピースに使用されている特許取得済み素材『TruGEN™』は、その製造技術によって歯の表面により多く触れるように設計されています。
大手のマウスピース型矯正装置と比べて表面の接着が19%も多いことで持続的な力が歯にかかりやすくなるため、より効果的に歯並びを整えられます。
また、BPAや水銀、ラテックス、フタル酸エステルなどのアレルギーや毒性のあるような物質が含まれていないのが特徴です。
次いで、マウスピースの歯に接触する部分が、他のマウスピース型矯正装置よりも細かい間隔で接触しています。他のマウスピース矯正が180μmに対して、スパークは99μmとより繊細なマウスピス構造をしています。
独自の統合フックが組み込まれている
スパークはマウスピースに独自の統合フックが組み込まれているのが特徴です。矯正治療中にゴムを使用して牽引する必要があるときにいつでも使用できます。
統合フックはゴムの挿入が簡単なだけでなく耐久性に優れているため、力の強いゴムを使用しても曲がったり破損したりすることはほとんどありません。
なお、スパークは歯科矯正用の機器や材料を提供する世界的な企業であるOrmcoの商品です。
Ormcoの主要商品にはデイモンシステム、アリアス、パワーOなどがあり、それぞれ世界中で評価されている歯科矯正器具です。
また、世界中の歯科矯正医のサポートと教育も行っていて、日本ではエンビスタジャパン株式会社(Envista Japan Co.,,Ltd)がOrmco製品を取り扱っています。
信頼性が高いマウスピースと考えてよいでしょう。
スパーク(Spark)がおすすめな患者様
スパークはできるだけ周囲に知られずに矯正治療を受けたい患者様やよりスムーズに矯正治療を進めたい患者様、矯正治療の期間を快適に過ごしたい患者様におすすめです。
できるだけ周囲に知られずに矯正治療を受けたい
スパークは、現在数多く存在するマウスピース型矯正装置の中でも、周囲に知られずに矯正治療を受けられる可能性のあるマウスピース型矯正装置です。
より透明度の高いマウスピースを使用することで、他人が顔を近づけても歯列矯正をしていることがわかりにくいため、接客業や営業職など人と接することが多い職業の患者様や矯正器具の見た目に抵抗がある患者様でも安心して日常生活を送れます。
よりスムーズに矯正治療を進めたい
アップデートしたスパークでは、『リアルタイム承認ボタン』を使用することでよりスムーズに矯正治療を進めることが可能です。
特に欧米人と比べて歯槽骨や歯周組織が薄く、歯根も短く形もさまざまなアジア人は、最初の治療計画通りに歯を動かすことが難しいといわれています。
しかしスパークの『リアルタイム承認ボタン』で治療計画を簡単に立て直すことができるため、より効率的に歯を動かしてより短い期間で理想の歯並びに近づけることができます。
矯正治療の期間を快適に過ごしたい
スパークのマウスピースは透明度が高いだけでなく、エッジ加工もよりなめらかになっているため、唇や舌への刺激が軽減されています。
これによって口腔内に傷ができたり痛みが生じたりすることなく、着用時も快適に過ごすことが可能となります。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン、エンジェルアライン、スパーク)は、飲食を行う場合に着脱できます。飲食物による汚れに強い点も矯正治療の期間を快適に過ごせるポイントです。
スパークは、矯正治療をしていても、できるだけ不便なく通常通りの生活を送りたいという患者様には、特におすすめのマウスピース型矯正装置だといえます。
特に着色するようなコーヒーや紅茶、赤ワインなどもマウスピース矯正中に楽しみたい患者様には適していると考えられます。
スパークは主要な他のマウスピース矯正装置よりも汚れに対する耐性が強いとされているため、矯正中でも着色する飲食物を我慢したくない患者様には向いているかもしれません。
スパーク(Spark)を使用する際の注意点
スパーク(Spark)を使用する場合は、以下の点に注意する必要があります。
定期検診は必ず受ける
スパークは矯正治療の進行具合をもとに、最終的な歯の位置をリアルタイムで更新することが可能です。
それによって治療にかかる時間を節約してよりスムーズに治療を進められるため、定期検診を必ず受けて現在の矯正治療の進行具合を担当の矯正医が確認できるようにしましょう。
矯正装置を必ず外してから食事をする
スパークは他のマウスピース矯正と比べてアライナーの透明度が高く、装着中も快適に過ごせるマウスピース型矯正装置です。
また、食べ物や飲み物によって汚れにくいことも特徴のひとつですが、だからといって矯正装置を外さずに食事をすることはおすすめできません。
スパークは矯正治療中に損傷する可能性が低いマウスピース型矯正装置です。
しかし矯正装置を外さずに食事をすると、食べ物や飲み物によって着色しやすくなるだけでなく、マウスピースの破損や変形の原因となったり、食べかすが詰まって虫歯や歯周病になったりする可能性があるため、食事中は外すようにしてください。
スパーク(Spark)の費用
スパークの費用に関しては、まだ日本でリリースされていないため、正式な発表はされていません。
アメリカでの費用をを参考にあげると、軽度な症例で3,500ドルほど、重度の症例では8,000ドルほどの費用になります。
海外発祥のマウスピースの場合、日本国内の方が価格設定が高い傾向にあります。
日本でのリリースをお待ちください。
治療の流れ
当クリニックのマウスピース矯正治療は以下のような流れで行います。
まずは患者様の歯並びや咬み合わせのお悩みをしっかりヒアリングさせていただきます。その後、口腔内写真、顔面写真およびレントゲン画像を撮影します。
それらを元に治療法や費用、治療期間など患者様の疑問にお応えいたします。
より正確な治療計画を立案するために、パノラマ、セファロのレントゲン写真に加え、CTの撮影、Spark Approver 3D アプリケーションを用いた三次元的な口腔内診査などの精密検査を行い口腔内の詳細な情報を集めていきます。
そのうえで口腔内の状態を正確に分析して患者様一人ひとりに寄り添ったオーダーメイドの矯正治療方針を立案いたします。
精密検査の結果およびこれから行っていく矯正治療のご説明をさせていただきます。
さらに、3Dシミュレーションにより歯の動きや最終的な咬み合わせなどについてもわかりやすくご説明いたします。患者様のご希望があれば可能な限りご希望を優先させていただきますので是非お気軽にご相談ください。
マウスピース型矯正装置の場合は、口腔内3Dスキャナーで撮影した患者様一人ひとりの正確な情報をもとにマウスピースを制作します。
いずれの場合も患者様ご自身でのケア方法や治療期間中に注意すべき点などについてしっかり説明させていただきます。
1〜3か月ごとに矯正治療の進み具合を確認して歯科衛生士によるブラッシング指導および口腔内のクリーニングを行います。
矯正装置を外します。
治療計画および患者様が目標とする歯並び、咬合を確立したら後戻りしないように歯の位置を保定する期間に入ります。
保定期間は矯正治療期間のような違和感などはほとんどありません。
歯形を取り矯正治療後の歯列に合わせて保定装置(リテーナー)を制作します。
矯正治療にかかった期間と同期間程経過を見ていき、歯並びが安定したら保定期間を終え全体的な治療が終了です。
ご来院の前にご予約をお願いいたします