ゼロネイトとは?メリット・デメリットとともに並行して受けられる矯正治療を紹介
『ゼロネイト』はラミネートベニアの欠点を補った新しい審美歯科治療です。
すべて手作業で作られた非常に薄いセラミックを歯の表面に貼り付けて、歯の色や形を整えていきます。
健康な歯を小さくなるまで削らずに済んだり短期間で治療が完了したりなどメリットも多いですが、限られた歯科クリニックでしか治療が受けられなかったり歯並びによっては適応しなかったりなどのデメリットもあります。
本記事ではゼロネイトの特徴、メリットデメリット、リスクおよび適応する歯並びを紹介します。
ゼロネイトについて知りたい患者様や歯並びを美しく整えたい患者様は、ぜひ最後まで読んでみてください。
削らないセラミック?ゼロネイトとは
『ゼロネイト』は歯科医療の先進国であるスイスで開発された審美歯科治療の一種です。
『削らないセラミック』として徐々に日本でも認知され始めているため、歯の色や形を整えたいとゼロネイトを検討している患者様もいるかもしれません。
では、ゼロネイトにはどのような特徴・メリットがあり、どのようなデメリット・リスクがあるのでしょうか。
ゼロネイトの特徴・メリット
ゼロネイトを用いた審美歯科治療では『フェルドスパシックポーセレン』というセラミックの一種を加工して、歯の表面に貼り付けて歯の色や形を美しく整えます。
以下は、ゼロネイトの特徴・メリットです。
- 健康な歯を小さくなるまで削らずに済む
- 審美性が高い
- 痛みがない
- 短期間で治療が完了する
- 時間が経過しても美しさを保ちやすい
従来のセラミック治療(ラミネートベニア)では、自分の歯を小さく削ってその部分にセラミックの板を貼り付けて治療を行っていました。
しかしゼロネイトは非常に薄いセラミックを使用するため、自分の健康な歯をできる限り保存しながら理想的な歯に仕上げることができます。
ゼロネイトは一つひとつすべてハンドメイドで制作しています。それによってまるで天然の歯のような色と形が表現でき、自然かつ審美性の高い仕上がりが可能です。
また、歯をほとんど傷つけないため痛みもなく、麻酔も不要なうえに2回の治療で完了します。
歯のエナメル質にピッタリと接着することで、時間が経過しても美しさを保ちやすく本来の歯を維持できる点も、ゼロネイトのメリットだといえるでしょう。
ゼロネイトのデメリット・リスク
ゼロネイトは従来のラミネートベニアの欠点を補った新しい審美歯科治療ですが、まったくデメリットやリスクがないわけではありません。
以下は、ゼロネイトのデメリット・リスクです。
- 日本に取り扱っている歯科クリニックがない
- 費用が高額になりがち
- 歯並びによっては治療が受けられない
- 一時的に違和感が生じる
現在のところ、ゼロネイトを取り扱っている歯科クリニックは少なく、アジアでは韓国カンナムのTU歯科医院だけでしか治療が受けられません。
そのため、治療を受けるには治療費の他に韓国への渡航費や滞在費なども必要になるため、費用が高額になりがちです。
せっかく韓国まで行っても歯並びによっては治療が受けられず、観光して帰ってくるだけになってしまう可能性もあるでしょう。
また、ゼロネイトは0.01mmと非常に薄いのが特徴ですが、繊細な口の中はわずかな差であってもこれまでとの違いを感じとってしまいます。
治療を受けた場合でもしばらくの間は口の中に違和感が生じる可能性があることを理解しておきましょう。
ゼロネイトが適応する歯並び
自分の健康な歯を活かしつつ理想の歯の色と形を手に入れられるゼロネイトですが、歯並びによっては治療が受けられない可能性もあります。
ここでは、ゼロネイトが適応する歯並びについて解説します。
すきっ歯(空隙歯列)
『すきっ歯(空隙歯列)』とは歯と歯の間に隙間があいた歯並びのことです。上の前歯の真ん中に隙間があいている場合を、特に『正中離開』と呼びます。
ゼロネイトで歯の大きさを整えて歯と歯の間の隙間をなくすことで、歯並びをきれいに整えることが可能です。
ブラックトライアングル
『ブラックトライアングル』とは歯と歯の間と歯茎の境目に三角形の隙間ができ、それが黒く目立ってしまう状態です。歯科用語では『歯間鼓形空隙』と呼びます。
通常、奥歯には発生しにくく前歯のよく見える位置にできることが多いため、見た目が気になる患者様も多い歯並びです。
ゼロネイトで歯の形を整えれば、三角形の隙間が埋まって外面的なコンプレックスが解消される可能性があります。
不揃いな歯並び
不揃いな歯並びも、ゼロネイトで治すことができます。
ゼロネイトでバラバラだった歯の形や大きさを合わせることで歯並びが整うため、理想の口元を実現できる可能性が高まるでしょう。
内側に傾いた前歯
ゼロネイトは、前歯が内側に傾いている歯並びを改善できる可能性があります。
一般的に、ゼロネイトは出っ歯(上顎前突)の改善には適していないといわれていますが、内側に傾いた前歯の改善には効果的です。
矮小歯
『矮小歯』とは、極端に小さい歯のことを指します。
すぐに何か処置をしなければならないケースは少ないですが、長い目で見ると治療しておいた方がよい場合もあります。患者様によっては見た目がコンプレックスになってしまう可能性もあるでしょう。
ゼロネイトは矮小歯の治療も得意です。自分の健康な歯を削らずに治療できるケースも多く、手軽に歯並びを整えられる可能性があります。
ゼロネイトは矯正治療と並行して治療が受けられる可能性がある
矯正治療を受けている歯科クリニックで確認する必要はありますが、『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』や『裏側矯正』であれば矯正治療と並行してゼロネイトの治療も受けられる可能性があります。
ここでは、ゼロネイトとの併用が可能なマウスピース型矯正装置(インビザライン)と裏側矯正について紹介します。
最後に重度の症例にも対応できる表側矯正についても紹介いたしますので、ぜひ参考になさってください。
ゼロネイト治療後に再製作可能なマウスピース型矯正装置(インビザライン)とは?
『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』とは、透明のマウスピースを装着して歯を動かす矯正治療の方法です。
従来のブラケットとワイヤーを使用せず、目立たないマウスピースのみで矯正治療ができるため、周囲に矯正治療を受けていることを知られたくない患者様や人と話す機会の多い仕事をされている患者様にもおすすめです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)であれば、ゼロネイトで歯の色や形を整えた後にマウスピースを再製作できるため、並行して治療を受けられる可能性があります。
ただし、最初の治療計画の通りに矯正治療を進められなくなってしまうため、必ず担当の歯科医師にゼロネイトの治療を検討していることを相談して了承を得るようにしましょう。
なお、マウスピース型矯正装置(インビザライン)も、矯正治療中にホワイトニングで歯を白くできます。
歯を白くする目的でゼロネイトを検討している場合は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で対応できないか相談してみるのもおすすめです。
ゼロネイトと並行できる裏側矯正とは?
『裏側矯正』とは、ブラケットという装置を歯の裏側に装着してワイヤーを通すことで、歯を動かして歯並びを整える矯正治療です。
歯の表側に矯正装置を装着しないため、見た目が気になる患者様や人前に立つ仕事をされている患者様から選ばれています。
歯の表側ではなく裏側に矯正装置を装着する裏側矯正の場合、歯の表側につけるゼロネイトと並行して矯正治療を受けることが可能です。
もちろん矯正治療を受けている歯科クリニックで担当の医師の了承を得る必要はありますが、歯の色や形を整えたい患者様は検討してみるのもよいかもしれません。
幅広い症例に対応できる表側矯正とは?
『表側矯正』とは、もっともポピュラーな矯正治療の方法です。
ブラケットとワイヤーを歯の表側に装着するため、見た目が気になる患者様もいらっしゃるかもしれませんが、幅広い症例に対応できるのがメリットです。
ゼロネイトでは改善が難しいとされる出っ歯(上顎前突)や八重歯・乱杭歯(叢生)にも対応でき、咬み合わせもきちんと整えられます。
最近では透明や白色の矯正装置も選べるようになっているため、目立たせずに矯正治療を受けることも可能です。
ゼロネイトと並行して治療を受けることはできませんが、根本から歯並びを改善したい患者様は表側矯正を検討してみることをおすすめします。
まとめ
ゼロネイトとは0.01mmほどの非常に薄いセラミックを歯の表面に貼り付けて、歯の色や形を整える審美歯科治療の一種です。
自分の健康な歯を守りながら理想の歯を手に入れられる可能性があるため、検討している患者様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アジアでは韓国の歯科クリニックでしか取り扱っておらず、日本ではまだ治療を受けることができないのが現状です。
渡韓してゼロネイトの治療を受けるのもよいですが、歯並びを根本から整えるのであれば矯正治療を検討してみるのもひとつの方法だといえるでしょう。
『青山表参道矯正歯科クリニック』は、矯正歯科の理論を理解した矯正歯科医による矯正歯科専門クリニックです。
患者様一人ひとりの歯並びに合った適切な治療を行いますので、歯並びを美しく整えたい患者様や口元の見た目がコンプレックスの患者様は『青山表参道矯正歯科クリニック』までお気軽にご相談ください。
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