部分矯正(MTM)が10万円でできるって本当?受ける前の注意点や実際にかかる値段を紹介
昨今の日本ではハリウッドスターおよび韓流スターが当然のように持ち合わせている〝美しい歯並びや笑顔〟の影響もあり、歯並びは人様に与える第一印象を大きく変えることが広く知れ渡るようになってきております。
格安マウスピースなどが出回っていますが矯正治療をはじめるにあたって矯正歯科クリニックを選ぶ場合は慎重に検討する必要があります。
『10万円で部分矯正ができる』と聞くと高額な矯正治療がその程度でできるならやってみたいと考える患者様も多いと思います。
しかし、10万円を謡っている歯科クリニックでは満足する結果が得られないことや、患者様がご満足いただける症例が極端に限られることが問題として挙げられます。
この記事では部分矯正が10万円でできるとはどういうことなのか、実際に部分矯正にかかる値段などをご紹介します。
部分矯正を検討している患者様でどの程度予算を組んだらいいか知りたい場合はぜひご覧ください。
部分矯正(Minor Tooth Movement)とは
矯正治療というと歯にワイヤーをつける・マウスピースを作成するなどが一般的ですが部分矯正とはどのような矯正方法なのでしょうか。
まずは部分矯正について詳しく紹介します。
部分矯正の特徴
部分矯正とは上・下顎前歯部だけ、上または下顎だけなど限定された範囲を治療する矯正方法です。
全体矯正に比べて予算がおさえられることや期間が短く済むことで症例によってはおすすめできます。
ただし、私ども矯正専門の歯科医師から言及させていただくと、部分矯正ができる症例は極端に限られていて症状が重度である場合は全体矯正が必要になるでしょう。
奥歯の噛み合わせを整えるのは難しいことや、1~2本を動かしたい場合にのみ対応できることから、部分矯正をしたいと考えている場合はカウンセリングをしっかり受ける必要があります。
また、本来ならば矯正治療に必要なための精密検査の結果、患者さん一人ひとりに適したオーダーメイドの矯正治療を提供する上で全体矯正をファーストチョイスとして行わなければならない患者様なのに、格安矯正により診断もきちんとされておらずに部分矯正を行われてしまっている患者様もいらっしゃいます。
そうなると、歯と歯の間を必要以上に削られてしまい、歯の形態が損なわれていたり、知覚過敏症状が伴ったりなどという悲劇が生じてしまうことも実際にあります。
その場合、本来は全体的な矯正治療で抜歯治療を行なっていれば簡易的に治った矯正治療でも、かえって難易度が増してしまい難症例になってしまい矯正治療に必要なための治療期間および費用が高くなってしまうので注意が必要です。
部分矯正(Minor Tooth Movement)ができる症例
部分矯正は、以下のような症例で対応可能です。
部分矯正の適応は主に前歯(犬歯〜犬歯)となります。
骨格的に上・下顎骨に不調和がなく、奥歯がしっかり咬み合っていることが部分矯正をする上で重要な条件となり前歯1本から部分矯正が可能です。
軽度の症例にのみ適応となるため部分矯正を希望する方は矯正歯科でカウンセリングを受けて口腔内の状況を確認してもらいましょう。
部分矯正ができない症例
以下のような症例では部分矯正ができません(ファーストチョイスは全体矯正)。
前述したように咬み合わせに問題がある場合は部分矯正ができません。
噛み合わせに問題がなくても叢生や出っ歯(上顎前突)が重度である場合は全体矯正が必要となるケースが多いでしょう。
部分矯正は10万円でできる?知っていただきたい受ける前の注意点
部分矯正は最低10万円からできることもありますが受ける際には非常に注意が必要です。
ここからは10万円の部分矯正について詳しく紹介します。
部分矯正が10万円とはどういうことか
前歯に装着する矯正装置が1歯あたり5万円ほどとなるため2歯のみに矯正装置を装着して部分矯正するのであれば装置代は10万円で済むこともあるでしょう。
動かしたい歯の本数が少ないということは矯正費用も少なくて済むということになるため複雑な矯正計画を立てる必要もなく矯正治療は短期間で終わります。
※矯正専門の歯科医師による患者様一人ひとりに寄り添ったオーダーメイドの診断では9割以上の患者様は部分矯正だけでは矯正治療を完結するのは非常に難しいです。
〝格安矯正〟で矯正治療に必要なためのレントゲン検査(セファログラム)や診断もきちんとされておらずに部分矯正を行われてしまって自分の思った通りの歯並びにならなかったと被害に遭われている患者様もいらっしゃいます。
また、〝格安マウスピース〟と呼ばれる治療も存在しますが結果的に咬み合わせが悪くなったり、後戻りが発生したりする可能性があり、注意が必要です。
部分矯正は簡単な矯正治療ではなく、矯正歯科医の豊富な知識と技術によって治療計画を立てるものであるということを覚えておきましょう。
部分矯正=安いという文言だけでは危険
矯正治療にかかる費用全体を確認する必要があります。矯正治療にかかる料金は矯正装置の費用だけではございません。
10万円の部分矯正を受ける場合は将来的にどの程度の金額がかかることになるのか矯正治療における費用全体(矯正装置 + 処置料×毎月 + 保定装置)を確認する必要があるでしょう。
矯正治療を進めていくうちに治したい箇所が増えたり、トラブルが発生して矯正装置が追加で必要になったりすることもあります。
また、矯正中の処置料や矯正修了後の保定装置代など、追加でかかる費用がどの程度あるのか事前に確認して総額を把握しておきましょう。
矯正歯科クリニック選びは慎重に行う必要性がある
ここまで紹介してきたように部分矯正は矯正治療自体は簡単と思われがちですが診断が難しく、矯正治療に長く携わっている歯科医師の経験や技術が必要不可欠な矯正治療です。
また、適応症例であれば費用がおさえられ短期間で終わるためメリットが多い矯正治療ですが、前述した通り、患者様自身が本来の主訴である矯正治療において求められている歯並びに近づけない可能性も多々あります。
そのため、矯正歯科クリニックを選ぶ場合はメリットやデメリットをしっかり説明してくれる矯正専門の歯科医師と、二人三脚で矯正治療を進める必要があります。
矯正歯科クリニック選びは慎重に行い、必要であれば数院でカウンセリングを受けることも視野に入れてみましょう。
矯正方法別の部分矯正治療にかかる値段
部分矯正を検討している患者様は矯正装置にどの程度の費用がかかるか把握しておく必要があります。
ここからは、矯正装置別の部分矯正治療にかかる値段を紹介します。
表側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正(ワイヤー矯正)は歯の表面にブラケットとワイヤーを取り付けて動かしていく方法です。
表側矯正(ワイヤー矯正)で部分矯正をした場合、矯正装置の費用相場は30~60万円です。
全体矯正だと80~90万円が相場となるため、装置代は半分ほどにおさえられます。
部分矯正といっても1歯だけではなく、歯を動かす固定源となる数本の歯に矯正装置をつける必要があるため、その歯の本数によって費用が変わってきます。
また、使用する素材によっても値段が変動するため、矯正専門の歯科医師との蜜なコミュニケーションで値段を含めた各装置のメリット・デメリットを把握する必要があるでしょう。
裏側矯正(ワイヤー矯正)
裏側矯正(ワイヤー矯正)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付けて動かしていく方法です。
裏側矯正(ワイヤー矯正)で部分矯正をした場合、矯正装置の費用相場は50~80万円です。
全体矯正だと150~170万円が相場となり、表側矯正(ワイヤー矯正)と同様に矯正装置が少なくて済む分、部分矯正の方が安く済みます。
表側矯正(ワイヤー矯正)に比べて技術が必要になる分、費用もあがりますが、表から見えない装置であることがメリットです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは、透明なマウスピースを作成し歯の動きに合わせて自分で交換することで理想の歯並びに整える方法です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)で部分矯正をした場合、装置の費用相場は40~60万円です。
また、全体矯正では90~110万円が相場となり、部分矯正の方が価格をおさえられます。
マウスピース矯正は、数個のマウスピースを歯の動きに合わせて付け替えていくことで矯正治療を進めていく方法です。
近年、数枚のマウスピースだけで矯正が完了するようなサービスもありますが、対応症例は非常に限局されるため注意が必要です。
部分矯正で矯正装置以外にかかる値段
部分矯正は矯正装置の値段だけで〝安い〟と判断してしまうのではなく、その他にかかる処置料および矯正治療後の保定装置の総額を把握するようにしましょう。
ここからは部分矯正で矯正装置以外にかかる費用を紹介します。
カウンセリング料
矯正歯科ではまずカウンセリングを行って患者様の不正咬合の状態や理想の個性正常咬合の確立に対してどのような矯正治療ができるかなど疑問および不安を解消します。
カウンセリングは無料で行っている矯正歯科クリニックも多いですが、3,000円〜5,000円ほどの料金がかかるケースもあります。
精密検査費用
カウンセリングと同時に行われることが多い精密検査はセファログラム、パノラマ、CTおよび光学印象(i-tero)を撮るなどの工程があるため30,000~50,000円ほどかかります。
患者様と歯科医師の矯正治療中や治療後のイメージが同じになるよう、このステップは必須です。
各検査によって部分矯正ができる症例であるか確認できるため、この時点で部分矯正ではなく全体矯正が必要と判断することもあります。
また、虫歯や歯周病がある場合はそれらの基本治療を優先的に行う必要があるため、治療内容によっては別途費用が発生するでしょう。
処置料
矯正治療中は歯の動きや装置の状態を確認するために診察に通う必要があります。治療内容によって通院頻度は異なりますが、おおよそ1ヶ月に1回ほどの通院が必要になるでしょう。
通院1回の処置料は5,000~8,000円ほどです。
保定装置料
矯正治療は歯を動かして終わりではなく、その後保定期間として歯が後戻りするのを防ぐ期間が必要です。
その場合、保定装置が必要となり相場は30,000~60,000円ほどです。
保定装置はリテーナーと呼ばれ、矯正器具と同様に歯に装着して使用する装置や可徹式(着脱可能)のものがございます。
経過観察料
保定期間も定期的に通院する必要があり、その場合の相場は1回の観察料が3,000円ほどです。
まとめ
部分矯正が10万円でできるのは矯正装置代だけを提示している場合がほとんどです。
そのため、10万円の部分矯正を受ける場合は、詳細を確認して総額でトータルどの程度になるかを予算と照らし合わせる必要があるでしょう。
また、部分矯正は適応症例が極端に限られるため、患者さん自身で矯正可能かを判断するのは難しく、カウンセリングで矯正治療を専門的に学ばれている歯科医師とよく相談することが重要です。
『青山表参道矯正歯科クリニック』では、矯正歯科に長年携わってきた2人の矯正歯科医が確かな診断と技術をご提供します。
患者様のご希望をしっかり伺い、部分矯正が可能なのか、総額でどの程度費用がかかるかといった細かいことまでしっかりご相談させていただきます。
当クリニックはカウンセリング無料となるため、矯正治療に関する疑問や不安がある患者様はぜひ一度『青山表参道矯正歯科クリニック』までお気軽にいらっしゃってください。
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