歯並びが悪いと老後にどんな影響がある?考えられる原因は?
若い頃は歯並びがよかったのに、年齢を重ねてガタガタになったと感じたことはありませんか?
歯並びが悪いと老後の健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、気づいたときから早めに対策しておくことが大切です。
とはいえ、大人になってから歯並びを整えることはできるのか、と疑問に思う患者様もいることでしょう。
この記事では、悪い歯並びが老後に与える影響と、年齢とともに歯並びが悪くなる原因、老後もよい歯並びを保つ方法を紹介します。
大人になって歯並びが悪くなったと感じている患者様、いつまでも美しい歯並びを保ちたい患者様は、ぜひ最後までご覧ください。
歯並びが悪いと老後にどんな影響がある?
歯並びが悪いまま放置していると、老後の健康に影響する可能性があります。
では、具体的にどのような影響が出るのでしょうか。
咀嚼機能が低下する
歯並びが悪いと、上下顎の歯がしっかりと咬み合わず、咬み合わせのバランスが崩れます。
硬い食べ物をしっかりと咬むことができなくなり、柔らかい食べ物を好むようになることから、口元や顎の筋肉が衰えて咀嚼力が低下します。
すると食べたいものを食べられなくなり、ストレスを感じることが増えるため、QOL(生活の質)が低下する原因になるでしょう。
口元の見た目が悪くなる
歯並びが悪いと、口元の見た目が悪くなってコンプレックスを感じる原因になります。
「笑ったときに口元が見えるのが嫌だ」「人と会いたくない」など、人と対面して話す機会が少なくなり、気がついたら気軽に会える友達がいなくなっていたという事態になってしまうかもしれません。
歯並びの悪さを気にするあまり、精神的なストレスが蓄積されてうつ病などの疾患を煩ってしまう可能性もあるでしょう。
虫歯や歯周病になりやすくなる
歯と歯が重なり合ったりねじれたりなど、歯並びが悪いと歯間に食べかすや汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病になりやすくなります。
しかも、歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくくしっかりと磨けません。
歯磨きが上手な患者様でも歯ブラシでは6〜7割の汚れしか取れないといわれていて、歯並びが悪いと、より磨き残しが増えてしまうことが予想されます。
いくら歯磨きを頑張っても、虫歯や歯周病の原因である歯垢(プラーク)を綺麗に取り除けないため、さらにリスクが高まってしまうでしょう。
歯を失うリスクが高まる
歯並びが悪く虫歯や歯周病になりやすい状態が続くと、歯を失うリスクも高まってしまいます。
特に子どもの頃から歯並びが悪い患者様は、歯磨きが難しく磨き残しが増えることで虫歯や歯周病になりやすい状態です。
大人になる頃には治療跡や治療中の歯も増え、抜歯するしかない状態の歯を持っている患者様も少なくないでしょう。
顎関節症が起こりやすくなる
歯並びが悪いと、上下顎の歯が正常に咬み合っていないため、歯や顎に負担がかかって顎関節症になる可能性があります。
顎関節症になると、口を大きく開けられない・口を開けるときにカクカクと音がしたり顎が痛んだりなどの症状が現れます。
そのままの状態で放置してしまうと、急に口が開けられなくなる可能性もあるでしょう。
また、顎の関節周辺が緊張して血行不良が起こり、頭痛や肩こりなどを引き起こす場合もあります。
誤嚥性肺炎が起こりやすくなる
歯並びが悪く口元や顎の筋肉が衰えてしまうと、飲み込む力や舌の力が弱まって、誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。
誤嚥性肺炎とは、主に食べ物や唾液が気道に入ることで口の中の細菌が肺に入り込み、肺炎が起こった状態です。
厚生労働省の「人口動態統計(2019年度)」の中で、年間の死亡者数が4万人以上であると報告されていることからもわかるように、肺炎の中でも死亡率の高い疾患として知られています。
全身の不調が起こりやすくなる
歯並びが悪いと食べ物がうまく咬めなくなり、食べられるものが偏ってしまうことから、栄養不足に陥って免疫力の低下による全身の不調が起こりやすくなります。
体内にウイルスや細菌が侵入しやすくなり、風邪を引きやすくなる可能性があるでしょう。
また、咬み合わせの悪化から、背中の痛みや腰痛など全身に悪影響を及ぼすこともあります。
整骨院に通院してもなかなか効果が現れない場合は、悪い歯並びが原因となっているかもしれません。
寝たきりや認知機能が低下する可能性が高まる
歯並びが悪く口元の機能が低下していると、サルコペニアや要介護状態などのリスクが高まる可能性があります。
サルコペニアとは、加齢によって筋肉量が減少し、筋力が低下した状態です。歩いたり立ち上がったりなどの日常生活で必要な動作がしにくくなり、転びやすくなったり要介護状態になったりする恐れがあります。
また、歯並びの悪化から虫歯や歯周病になり歯の本数が減ると、脳の働きに悪影響が出て認知機能が低下する可能性もあるため注意が必要です。
歯並びが悪くなる原因
若い頃から歯並びがよかった患者様や歯列矯正をした経験がある患者様でも、年齢を重ねるにつれて以下の原因によって歯並びが悪くなることがあります。
- 虫歯や歯周病が悪化した
- 歯科治療を途中でやめてしまった
- 親知らずが生えてきた
- 悪習癖がある
- 加齢によって口周りの筋力が衰えてきた
虫歯や歯周病があるまま放置したり歯科治療を途中でやめてしまったりすると、最悪の場合歯が抜け落ちてあいているスペースに隣の歯が傾き、歯並びが悪くなる原因になります。
歯並びが悪くなるとさらに虫歯や歯周病のリスクが高まるため、抜歯せざるを得ない歯が増えて、さらに歯並びが悪くなる悪循環に陥ることもあるでしょう。
また、大人になってから親知らずが生えてきた場合も、隣の歯が押されて歯並びが悪くなることがあります。特に親知らずが横向きに生えている患者様は要注意です。
他にも、普段の何気ない癖が歯並びに影響することもあります。
例えば、頬杖、歯ぎしり、うつぶせ寝、横向き寝、食いしばりおよび口呼吸などは、歯列の特定の場所に大きな負担がかかったり歯がすり減ったりして歯並びや咬み合わせに影響する可能性があるため注意が必要です。
年齢を重ねて体力が落ちてきたと感じている患者様は、口周りの筋力の衰えによって歯並びが悪くなる可能性もあるでしょう。
老後もよい歯並びを保つ方法
老後もよい歯並びを保つことはQOL(生活の質)の向上につながり、より健康的で楽しい生活を送れるようになります。
ここでは、老後もよい歯並びを保つ方法を紹介いたしますので、年齢を重ねて歯並びが悪くなったと感じる患者様はぜひ参考になさってください。
悪習癖を改善する
上述の通り、頬杖歯ぎしり、うつぶせ寝、横向き寝、食いしばりおよび口呼吸などの悪習癖は歯並びが悪くなる原因となります。
悪習癖は無意識のうちに行っていることも多く直すのは大変かもしれませんが、老後もよい歯並びを保つためにも、気づいた瞬間から改善するよう心がけることが大切です。
自分に悪習癖があるかわからない患者様は、ご家族や友人など周りの人に聞いてみるとよいでしょう。
歯列矯正で歯並びを整えておく
年齢を重ねて歯並びが悪くなったと感じている患者様は、歯列矯正を受けるのがおすすめです。
歯列矯正は子どもが受けるものだというイメージがある患者様も多いですが、大人が受けることで老後により多く歯を残せる、虫歯や歯周病を予防できる、全身の不調を予防できるなどさまざまなメリットがあります。
歯列矯正には主にマウスピース型矯正装置(インビザライン)と表側矯正、裏側矯正の3種類の治療方法があるため、矯正歯科専門医とよく相談して自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは、プラスチックでできた透明のマウスピースを装着して歯並びを整える矯正治療の方法です。
マウスピースは非常に薄いプラスチックでできていて見た目にも目立たないため、仕事上矯正装置を装着していることを知られたくない患者様に向いています。
また、食事や歯磨きのときに矯正装置を取り外せるのもマウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリットです。
普段とほとんど変わらない生活を送りたい患者様、矯正治療中でも食事を楽しみたい患者様にもおすすめだといえます。
ただし、決められた装着時間を守る必要があり、患者様の協力度によっては理想の歯並びになるまでに時間がかかる可能性がある点に注意しましょう。
表側矯正
表側矯正とは歯の表側にブラケットという矯正装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯並びを整えていく矯正治療の方法です。
歯列矯正の治療方法の中でもっともポピュラーであるため、矯正治療というと思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
多くの症例に適応するのがメリットですが、どうしても銀色の矯正装置が目立ってしまう点に注意が必要です。
近年、白色や透明の目立たない矯正装置も登場しています。見た目が気になる患者様は目立たない矯正装置を検討するのもひとつの方法だといえるでしょう。
裏側矯正
裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正治療の方法です。
表側矯正と比べて虫歯になりにくいといわれていて、舌で歯を押してしまう舌癖を抑制する効果が期待できます。
また、笑ったときに矯正装置がほとんど見えないため、見た目を気にする患者様におすすめです。ただし、歯の裏側に矯正装置を装着することでしゃべりにくくなる可能性があります。
まとめ
悪い歯並びは老後の健康に悪影響を与え、QOL(生活の質)にまで影響する可能性があるため、気になったときに治しておくのがおすすめです。
大人になってから歯並びを整えるには、悪習癖を改善したり歯列矯正を行ったりする方法があります。
歯列矯正は自分の歯並びや生活スタイルに合った治療方法を選ぶことが大切になるため、ぜひ本記事を参考に矯正歯科専門医に相談してみることをおすすめします。
『青山表参道矯正歯科クリニック』は、大学病院および数々の都内矯正専門医で研鑽を積んできた矯正歯科専門クリニックです。
矯正歯科の理論をしっかりと理解した矯正歯科医による治療をご提供いたしますので、老後もよい歯並びを保ちたい患者様、年齢を重ねるごとに悪くなる歯並びを治したい患者様は、ぜひお気軽に『青山表参道矯正歯科クリニック』までご相談ください。
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