バッカルコリドーはマウスピース矯正で改善できる?【矯正専門医の見解】
バッカルコリドーとは?
バッカルコリドーとは、笑ったときに口角の横にできる黒い隙間を指します。
歯列の幅と骨格、そして唇の開き方のバランスによって、この隙間の大きさは大きく異なります。
バッカルコリドーが目立つと、笑顔が暗く見えたり、顔全体が細長く見えることもあります。
そのため、「バッカルコリドーを改善したい」というご相談は近年非常に増えています。
では、マウスピース矯正だけでバッカルコリドーを改善できるのでしょうか?
矯正専門医の立場から、詳しく解説していきます。
歯のアーチが狭い人はマウスピース矯正で改善できることも
歯のアーチ(歯並びの横幅)が骨格に対して狭いタイプの場合、
歯列を横に広げることでバッカルコリドーを目立たなくできる可能性があります。
このようなケースでは、マウスピース矯正単独でも、
- 歯のアーチを横方向に広げる(歯の傾斜移動による側方拡大)
- 笑顔の隙間を減らす
ことが期待できます。
しかし注意が必要なのは、
抜歯矯正の場合、アーチ幅は基本的に狭くなる傾向があるという点です。
そのため、
「抜歯して口元を下げたい」
「でもバッカルコリドーも目立たなくしたい」
という要望を同時に叶えるのは、非常に高度なバランス感覚が必要な治療となります。
この点を理解したうえで、治療計画を立てることが重要です。
骨格自体を拡大する「MSE(Maxillary Skeletal Expander)」という選択肢
歯列だけでは十分な拡大が得られないケースでは、
上顎の骨格自体を拡げる治療を検討することがあります。
ここで登場するのが、
MSE(Maxillary Skeletal Expander)です。
【MSEとは?】
MSEとは、口蓋(上顎の裏側)に複数本のスクリューを打ち込み、
骨に直接固定して上顎骨自体を左右に拡大する装置です。
従来の拡大装置に比べて、
- 骨レベルでしっかり広げることができる
- 効果が確実で、かつ安定している
という特徴があります。
特に、
下顎が上顎よりも相対的に大きく、バッカルコリドーが目立つタイプ
においては、MSEによる骨拡大が非常に有効です。
【当院の特徴:マウスピース矯正とMSEの併用】
一般的にMSEはワイヤー矯正と併用されることが多いのですが、
当クリニックでは、マウスピース矯正とMSEを組み合わせた「顎顔面矯正」にも積極的に取り組んでいます。
これにより、
- マウスピース単独では難しかった骨格レベルの拡大
- より自然な笑顔ラインの形成
- バッカルコリドーの効果的な改善
が可能になりました。
MSE使用時の注意点
ただし、MSEによる拡大にもリスクは存在します。
上顎骨を拡大すると、
- 鼻腔
- 頬骨周囲
などの組織にも影響が及ぶ可能性があるため、拡大幅は慎重に調整しなければなりません。
また、たとえ骨格を広げたとしても、
もともとの唇や軟組織の性質によっては、バッカルコリドーが完全に消えるわけではないケースも存在します。
【まとめ】バッカルコリドー改善には総合的な診断が必要
バッカルコリドーを改善するには、歯列の幅だけではなく
- 骨格バランス
- 唇・筋肉の動き(軟組織)
までを総合的に診断することが必要です。
マウスピース矯正のみで改善可能な場合もありますが、
骨格的な問題が絡んでいる場合には、MSEのような骨格からの拡大を視野に入れることで、より高い効果が得られることもあります。
あなたの笑顔がより自然で、バランスの取れたものになるよう、
ぜひ一度、矯正専門医による精密診断を受けてみてください。
『青山表参道矯正歯科クリニック』では、矯正歯科専門医であり、日本矯正歯科学会認定医が確かな診断と技術をご提供いたしております。
精密な診断を可能にする設備と機器を用いて治療計画を立て、後戻りしにくい患者様一人ひとりの症状に寄り添ったオーダーメイドの矯正治療を行います。
カウンセリングは無料となっておりますので、矯正治療を検討されている患者様や後戻りでお困りの患者様は、ぜひお気軽に『青山表参道矯正歯科クリニック』までご相談ください。